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  • 執筆者の写真NorthQuest |びえい未来ネット

(No.115)【議会にひと言】観光基本条例の制定は急務のはずでは?

「なぜ今、この条例なのか?」・・・12月議会、観光基本条例の総括質疑はこの言葉で始まりました。観光被害に苦しんできた農家を救うための条例。本当にこれで問題が解決できるかといった本質の議論を議会で展開すべきでした。

観光客の迷惑行為
迷惑行為を規制できる町長権限が、いかなるメカニズムで発動できるか、迷惑行為を誰が監視し認定するか、迷惑を被った町民が規制を要求できるか、議会がどのように関与するかなど、当たり前のことを総括質疑で議論すべきだ。(写真は2019年2月拓進の農家・佐藤氏の提供)

議会のやりとり

12月議会の令和4年第7回定例会で 「美瑛町持続可能な観光目的地実現条例」が行政から提案されました。総括質疑で議員Yさんが、この条例の緊急性(なぜ今、この条例なのか?)について町長に問いかけた抜粋はつぎのとおりです。(条例案はR4第7回定例会議案第6号 )

  • 町民生活を守るためこの条例が必要不可欠なのはわかる。なぜ今なのか?これで何をしようとしているのか?町民コメントにも急ぐ必要はないとの意見もある。

  • 議会は3月までの短期に条例が16件、予算審査と重なって、審議が深めにくい。

  • 改訂版観光マスタープや実行計画とセットでないと実効性は期待できない。

  • 以上からこの条例の優先順位は低いと考えざるを得ない状況にある。

町長の答弁の趣旨は次のようなものでした。

  • 検討プロジェクトはコロナで中断した。いま観光客が戻りつつあるなかでコロナの前と後でオーバーツーリズムの対応が同じであってはいけない。委員会組織を編成し、検討を進めた結果、このタイミングとなった。

  • 緊急性がないからと言って、いつでもよいとはならない。

  • 根拠となる基本条例が先にあって、アクションプランを動かしていくことを目指しており、その方が実効性もある。

この議論は、その他のやりとり(省略)を経て、議員が審議しやすいように行政が逐条解説を提供することで落ち着きました。


感想
町民の直面する問題についての議会の議論は、ある一面に偏らずもっと総合的に核心をついて展開してもらいたいものです。
  • 町議が「なぜ今、この条例なのか?」とか「町民コメントにも急ぐ必要はないとの意見もある」と発言すれば、問題を知らない人にはそうなんだと、偏った判断を与えます。

  • 行政が観光業に配慮するあまり規制を嫌って、問題を観光客のマナーの問題に転嫁してきたこと、議会もそれを黙認したことが積もり積もった歴史的な条例案という認識が必要です。(ご参考:この問題の歴史について→ブログの一覧はこちらから

  • 町民コメントには条例を歓迎する意見(※下記)もあり、都合のよい部分を切り出して「急ぐ必要はない」と結論付けるのはいかがなものでしょう。

町民コメントの抜粋  『・・・町長の責務とアクションを具体的に規定したことで、本条 例の実効性が期待できます。観光がもたらす弊害について行政の責任を明記し た点で、従来の行政の姿勢から良い方向に転換しています。』

明けて1月、迷惑行為が続出

皮肉なことに、年明けて1月に迷惑行為が相次いで報じられました。「なぜ今、この条例なのか?」といった偏った意見が否定された格好です。この問題はまったなしです。


 

まとめ

  • 前回のブログで取り上げた自治基本条例もそうですが、点の議論で全体を結論づける荒っぽい議会の進め方になっています。議会は、条例の制定に関する幅広い権限を町民から与えられており、これを適切に行使してほしいものです。

  • 議会には町民に代わってこの問題の核心を議論してほしかったです。たとえば第8条(※下記)に規定した迷惑行為を規制できる町長権限が、いかなるメカニズムで発動できるか、迷惑行為を誰が監視し認定するか、迷惑を被った町民が規制を要求できるか、議会がどのように関与するかなど、当たり前のことを総括質疑で議論すべきだったと思います・・・

(迷惑な行為等の禁止)
第7条 何人も、良好な景観に損害を及ぼすおそれのある行為及び生活環境の
保全に支障をきたすおそれのある行為をし、又はさせてはなりません。
2 何人も、他人の私有地に無断で立入りをしてはなりません。
(立入制限区域の指定)
第8条 町長は、前条の行為が認められるときは、期間を定めて立入制限区域
を指定することができます。
2 町長は、立入制限区域を指定しようとす(・・・以下省略)

2023-1-31 Noriaki Gentsu @ NorthQuest

 

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