あらすじ
新型コロナの感染拡大でひとびとの日常や将来の生き方が大きな影響を受けている。人口減少の未来に起きると考えていた課題が、急に目前に現われた格好で、いやおうなく町民と役場の協働が必要になった。このまちの持続には、変化に適応しなければならない。変化に適応するには、古いルールに縛られず新しい変化を創り出す、よって持続的なまちづくりとは変化を創り出すこと。
役場だけで進まないまちづくり
新型コロナの感染拡大でひとびとの日常や将来の生き方が大きな影響を受けている。何かを変えたいと模索している町民と、未知の課題に直面した役場の互いの距離が縮まった。まちづくりの共通の土俵(ステージ)で力を合わせる状況になった。
これまでまちづくりと言えば、主に役場がおこなう事業を意味した。いまは影響をうけたひとびとの生活を(短期的に)支援し、立て直す意味合いが強い。
これまで地域の「持続性」とか「SDGs」と言えば、役場の用語だった。いまは観光客が消えた自分の事業を(中期的に)いかにしなやかに復元できるか?といった身近な問いに変わった。
これまで役場は「美しい村」「美瑛学」「ブランド」と言った観念論の世界に閉じこもっていた。いまは「農業と景観」という資源から新しい産業を(中期的に)創造し、住んでみたい住み続けたいまちづくりを協力して追求する局面になった。
まとめると、人口減少の未来に起きると考えていた課題が、新型コロナによって急に目前に現われた格好で、いやおうなく町民と役場の協働が必要になった。
価値観の転換
この小さな町で、役場だ町民だと反目することなくお互いに信頼関係を保ち、幸せなまちづくりを目指すのが理想だと思う。そのために、役場も町民も発想と行動を変えることだ。変化に適応できない恐竜が滅んだ例を出すまでもないだろう。
変化をつくり出す いままで役場は、事業を行った結果として効果や課題の総括がないまま、おなじものが継続する傾向にあった。新しいものを阻む、心理状態や構造的なしがらみが強かったと思う。効果のない古いものを捨て、変化を創り出す新しいものを受け入れる柔軟な風土が欲しい。
やってみるということ。 いままで役場は、上から言われたままやればよかった傾向にあった。ハードをつくるときにはよかったかもしれないが、ソフトの要素が強い新しい政策(移住、6次産業、観光消費額アップ、など)は、役場の縦割りや外郭団体の壁が障害となる傾向にあった。変化する環境では同じことの繰り返しは後退に等しく、変化したほうがよくなる可能性が高い。だから新しい挑戦に寛容な風土が欲しい。
評価を共有するということ。 いままで成果とは、予算を執行したかどうか(=執行評価)であった。これから成果とは、本当に変えたいもの(例えば移住者数、人口の社会増減、新規開業数など)がどう変化したか(=政策評価)だと考える。ちなみに、町民にとって意味あるものは「本当に変えたいもの」ということになる。
まとめると、このまちを持続させるには、変化に適応しなければならない。変化に適応するには、古いルールや慣習に縛られず新しい変化を創り出す、よって持続的なまちづくりとは変化をつくる出すことという関係にある。
Noriaki Gentsu @NorthQuest
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