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  • 執筆者の写真NorthQuest |びえい未来ネット

(No.119)普通に、判りやすかった賛成討論|自治基本条例


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反対意見は、要は必要がないとの結論を証明ができないということです。だからダメな理由をあげて反対と言うのです。

あらすじ

2月27日、議会本会議の自治基本条例の採決。賛否が割れ、美瑛町議会の歴史に残る8名の議員による反対と賛成の討論合戦という異常事態に。

  • 賛成意見は、必要であることと、その理由を整然と述べています。

  • 反対意見は、必要でないことの理由を証明できないので、おかしな反対の理屈を展開しています。

  • このように、声が大きければおかしな反対意見であっても世論がそちらに傾くことも多いです。国政においても地域の集まり、学校のHRでも同じ。注意が必要です。


今回は、賛成意見をが、前回テーマの反対意見に比べ、判りやすくかったこと、このような対立が町民にとってプラスにならないことについて考えてみます。

 

どのように意見が割れたか。「まちづくり事務審査特別委員会」の委員長の八木議員(副議長)の総括的なコメントが判りやすいので、以下に引用します。

  • 委員会で、この条例が不要との指摘はなかった。よってこの条例が必要不可欠というのが議会の共通認識です。

  • 【反対論】町民に対する説明が不十分である。町民集会などでもう一度町民に問いかけるべきであり、原案を否決すべき。

  • 【賛成論】町民主体の自治に不可欠の条例である。運用しながら内容を精査し修正改正し、生きた条例に育てるべきであり、原案は可決すべき。自分もこの立場。

 

つぎに、賛成討論の4人の議員の発言を抜粋しします。詳しくは、<詳細はこちら>をクリックしてください。


野村議員:
  • 平成15年に町民参加を規定した現行条例を補完し、より強めた条例の制定を望む住民の声が高まり、これまで以上に住民参加の重要性が叫ばれている。

  • この提案は、自治体運営の基本的なルール、住民の権利、まちづくりの方向を規定した、自治体としての憲法。議会は議決機関としての責務がある。



保田議員:
  • 優れた条項を多く含む条例。可決したうえで行政と共に深く浸透させることが、議会として町民の負託にこたえる最善の行動。

  • この条例を政治的な戦いの道具として利用するのでなく、真に町民の利益のために運用することを求める。


八木議員:
  • 先の読めない時代において美瑛町の実情に適し、制定後もフォローアップと見直しを適時行ない条例を育てていく発想が最善の手段である。

  • 立法権のある議会として原案を可決し、修正は次の新しい議会にゆだねる、これが議会のとるべき立場ではないか。


大坪議員:
  • すべての条例が町民の理解を得て可決制定されているわけではない。

  • まちづくりに町民参加は重要で、今後の町民とともに議会と行政が協力して進んで行く基本となるもの。

  • 条例自体に何ら反対するものはない。可決し速やかに町民に広く理解を理解をいただきながら、みんなが思うまちづくりを進めていければと思う。


町の最高の意思決定機関となる議会の選挙を4月に控え、現職の議員の考えを知ることが有益と考え、賛成議員の意見を下の ”くわしく” で紹介しています。


また、なぜ意見が割れたかについて、考察ーなぜ意見が割れたかでまとめました。


よろしければ続けてお読みください。

 
くわしく

つぎに賛成の各議員の発言の要旨をできるだけ忠実に再現します。


野村議員
  • 町内各方面と住民で構成したまちづくり委員が協議した成果品であって、今後のまちづくりに生かせると評価できる。

  • 平成15年に現行条例で町民参加を規定した。これを補完し、より強めた条例の制定を望む住民の声の高まり、また社会環境が急速に変化し、これまで以上に住民参加の重要性が叫ばれている。

  • この提案は、自治体運営の基本的なルール、住民の権利、まちづくりの方向を規定した、自治体としての憲法ともいうべき条例。最高規範の役割がある。議会では多種多様な意見が出ているが、議決機関としての責務がある。ここに、各議員の賛同を要請する。


保田議員
  • 2年にわたって原案を策定した各委員と役場職員に感謝と敬意。

  • 条例案の策定にあたり、住民意見の把握は重要。(町民コメント制度、町民集会)

  • コロナ渦の危険な状態にあって、インターネットや広報を使った町民意見の把握は間違いではなかった。

  • 評価できる条文が数多くある。

  1. 町民の定義が、町内で働く人、学ぶ人、事業者まで拡大。

  2. 多様性の尊重を規定。

  3. 議会と行政が、町民の町政への参加を保障したこと。

  4. 18歳未満の若者と子どもに町政に参加する機会を設けた。

  5. 住民投票の規定。

  6. 地域社会の一員として、子どもの町政への参加の権利を規定。

  7. 議会への町民参加の手法として、公聴会の制度、参考人制度を規定。

  8. 自治推進委員会による定期的な見直しを規定して生きた条例を目指したこと。

  • 全体としての意義

  1. 担い手(町民・議会・行政)を並列に位置づけ、三位一体の協働を規定するなど現行条例を未来志向に反映させたもの。

  2. 策定して終わりの条例が多い中で、見直し規定を入れ進化させる条例としたことは意味深い。

  3. 完全ではないが、48条の見直し規定により生きた進化した条例になり得る。

  4. 優れた条項を多く含む条例が町民に浸透していないのは残念であるが、可決したうえで行政と共に深く浸透させることが、議会として町民の負託にこたえる最善の行動と認識。

  5. 執行する職員の労働が増えることから、適正な人員配置を議会として求める。

  6. この条例を政治的な戦いの道具として利用するのでなく、真に町民の利益のために運用することを求める。


八木議員
  • 必要なのか不要なのかと言う点で、まちづくり事務審査特別委員会において不要との指摘はなかった。よってこの条例が必要不可欠というのが議会の共通認識。

  • 方法論が賛否両論あった。

    1. 反対論 町民に対する説明が不十分である。町民集会などでもう一度町民に問いかけるべきであり、原案を否決すべき。

    2. 賛成論 町民主体の自治に不可欠の条例である。運用しながら内容を精査し修正改正し、生きた条例に育てるべきものであり、原案を可決すべき。自分もこの立場。

  • 日本人の育んだ文化はルールを守ることが美徳としてきた。これは世界に誇れるものだが、先の読めない時代において美瑛町の実情に適し、今後をみとおした地に足のついた条例にしていくためには、作りっぱなしでなく制定後もフォローアップと見直しを適時行ない条例を育てていく発想が最善の手段である。

  • 立法権のある議会として原案を可決し、修正訂正は次の新しい議会にゆだねる、これが議会のとるべき立場ではないか。


大坪議員 
  • 原案策定にあたりまちづくり委員会専門部会の委員が二年にわたり議論したもの。

  • 町民集会が開かれていないとかの意見もあるが、コロナ渦の環境のなかでパブリックコメントなど町民の意見を聞く機会を持ったのも事実。条例の内容が町民に浸透していないこともあろうかと思うが、制定したのちにも理解してもらうことが必要だ。

  • すべての条例が町民の理解を得て可決制定されているわけではない。

  • まちづくりに町民参加は重要で、現行の条例20年経過し時代にそぐわないこと不備な部分も出ているので、新たに制定することも重要。今後の町民とともに議会と行政が協力して進んで行く基本となるもの。

  • 条例自体に何ら反対するものはない、多くの議員もその点は異を唱えていない。可決し、速やかに町民に広く理解を理解をいただきながら、みんなが思うまちづくりを進めていければと思う。


 
考察ーなぜ意見が割れたか

自治基本条例は町民にとって不可欠であるとの議会の共通認識(八木委員長)なのに、なぜ意見が割れるのか、これが問題です。


それを知るためにまず、賛成意見の共通した組み立てを見ていきます。

  1. 必要であるとの結論を述べる。

  2. その理由を述べる。

  3. そして不備な点を指摘して、今後の対処について要望しています。

  4. 全体として、1.必要であるとの結論に重点を置き、理由と改善点を展開しています。

  5. そのため、普通に判りやすい話の組み立てとなっています。


つぎに、反対意見の共通した組み立てを見ていきます。・・詳細は前回ブログを参照

  1. 必要であると(一応)前置きする。

  2. ダメな理由をあれこれあげる。

  3. 最後にあえて急ぐ必要もないので反対と言う。

  4. 全体として、1-2-3のつながりがなく、2.ダメな理由に重点があります。

  5. 要は、必要がないとの結論を証明ができないということです。だからダメな理由をあげて反対と言うのです。

  6. そして、①必要であるとの前置きしたのに、③あえて急ぐ必要もない、とおかしな話になってしまいます。

 

以上

2023-3-16 Noriaki Gentsu @ NorthQuest

 
反対討論のYouTubeの頭出し:青田議員中村議員高田議員増山議員
 

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