議場で議員が「町民がこう言っている」と発言したとき、特に注目します。伝聞を役場に投げるだけで、誰が何でどのように困っているか検証していないことが多いから。役場はあえて反問せず、無難に議案の通過を待つ。結果、伝聞が事実として町民に伝わってしまうから。
<目次>
1.伝聞による議場発言、町民には事実として伝わる
2.アバウトな検証でも「老人とBeコイン」の問題はなさそう
3.「老人とBeコインの関係」を検証する
1.伝聞による議場発言、町民には事実として伝わる
9月13日の町議会。補正予算の「敬老祝い記念事業(41万円)」・・・祝いのBeコインでの支給について、興梠議員の質問の抜粋はつぎのとおりです。
毎年この時期になると福祉施設のかたから言われるんですが「じいちゃん、ばあちゃん、もらっても使えないと言っている」と。Beコインは高齢者と相性が悪いのではないか。この事業41万円は何人を対象としているのか?
これに対して保健福祉課長の答弁の抜粋はつぎのとおりです。
今年から町の敬老会への招待をやめた75歳から79歳までの400名にBeコインを1000ポイントづつ付与するものです。
この質問は始めから、話がごっちゃになっています:
75歳から79歳までの400名に敬老祝いをBeコインで支給する件が、施設の老人がBeコインを使えない話に替わっています
75歳から79歳までの400名が福祉施設に入っているかのような話が展開します
このやり取りは要注意です:
議員は、施設の老人がBeコインを使えないと聞いたと言う。問題の中身は検証(※)していない。
役場は、補正予算を通す立場から聞かれたことに答えるだけ。ごっちゃになった論点をそのままにします。
※検証とは、老人が何でどのように困っているか明らかにすること。自ら反論したり、他人に反論してもらうことで真の問題を明らかにできます。
するとどうなるでしょう:
議会報やメディアに「施設の老人たちが使えないBeコイン」と出ます
そして町民に「Beコインは問題なんだ」と伝わります
2.アバウトな検証でも「老人とBeコイン」の問題などなさそう
ではなぜ、議員は老人とBeコインの伝聞の中身を検証しないのでしょう?
そうすればBeコイン特有の大きな問題はないと反論され、知れ渡るからでしょう。
そのまえに、もういちど議員の質問の出だしを確認しておきましょう。
(再掲)毎年この時期になると福祉施設のかたから言われるんですが「じいちゃん、ばあちゃん、もらっても使えないと言っている」と。Beコインは高齢者と相性が悪いのではないか。・・・
ではもどって、どんな反論を受けるでしょうか:
「職員が言っている」→ 老人に確認したのか
その老人はBeコインより現金を好むのか →そうなら、同じお金だと説明すればいい
その老人は現金なら使えるか →そうなら、プレミア商品券は使えたのか? →そうなら、Beコインが使えるはず。ほかの理由は一体なんなんだ?
その老人は施設にいるから買い物が不要(※)なのか? →そうなら、もらっても使いみちがないとの意味だから、お金以外に何をもらうかの問題か? (※この点は議員がちらっと発言のなかでほのめかしました。)
つまり検証とは、自ら反論したり、他人に反論してもらって問題を絞り込むことなのです。
そして今回は、大まかに検証したら何もなさそうです。
3.「老人とBeコインの関係」を検証する
そもそも、施設に限らず自宅も含め、(通貨として)Beコインが使えない老人は限りなくゼロに近いと思います:
今回、敬老祝いをもらう75歳から79歳の400名はほぼ、スマホやポイントカードを使いこなす世代です。→現金主義や買い物嫌いを除き。
つぎに「施設にいるじいちゃん、ばあちゃん」・・・わたしの母(97)は慈光園に通帳を預け職員に買い物を頼み、現金出納帳をつけてもらいました。→Beコインでなく施設のサービスの問題?
また、母が自宅にいたときは、プレミア商品券やBeコインを預かってわたしが買物してあげました。→問題なしです
これを裏付ける、保健福祉課長の答弁がありました。
民生委員や老人クラブを通して使い方の説明をしました。今後ともやっていきます。
なお、使い方を周知しておけばさほど難しくないのではないかという声もあります。
議員に逆らえない課長は遠慮がちに、指摘の件は致命的ではなく、周知のしかたで何とかなると(下線のように)示唆したのだと思います。
そもそも、1970年代からテレホンカード、ポイントカード、商品券、ギフトカード、町のプレミア商品券を使いこなした世代が、施設に入って突如Beコインが使えないなどと考えにくいです。
まとめ
この記事を書くかどうか迷いました。
「Beコインを続けるなら、もっと運用の幅を広げてもらわないと・・・」と議員が最後の締めで発言したので、これはアカンと思いました。
Beコインの問題を検証せず、「運用の幅を拡げる」とはおかしな話です。
「続けるなら」とは「ダメならちゃぶ台返し」の発想。令和3年4年で7.5億円の流通、令和5年で9000万円のチャージと町内に浸透したBeコイン。議会が決めました。
町民の声と、議員が議場で示す問題点、行政が施策に反映すべき問題(=課題)は違います。
昨年までも除雪費の予算審議で、除雪が悪いと役場に投げるだけの議員がいました。
議員は町民の声を丸投げせず、なぜなぜを5回繰り返して、真の問題を掴んでから、行政を動かす。これが監視です。
議会と行政が緊張感をもった町政に転換する。このために行政は聞かれたことに答えるだけでなく、必要なら反問権を使って論点を深め、検証しあう。これがひいては町民のためになると思います。
参考資料
YoTubeチャンネル(美瑛町議会)のこのテーマに関係した部分のリンク
補正予算「敬老祝い記念事業(41万円)」のBeコインでの支給について、興梠議員の3項目の質問がここから始まります。本ブログはその2番目のポイント「施設の老人とBeコイン」に絞っています。
2023-9-16 Noriaki Gentsu @ NorthQuest
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