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執筆者の写真NorthQuest |びえい未来ネット

(No.141)農地侵入と農道妨害|ヒトがつくった観光地をヒトがどう守るか?

オーバーツーリズム、観光公害とマスコミの格好の材料となっているわが町の観光地。同じ観光公害とひとくくりにするけれど、京都や鎌倉は歴史的につくられたもの。美瑛の景観と観光が「ヒトの手によって生み出された」とするならば、マナーの問題と他人まかせにせずヒトの手で解決するとの視点に立つべきではないか。


Sourse
ドイツの農地の景観 Sourse: https://pxhere.com/en/photo/1097524


現状の認識


いつまで観光客のマナーのせいにしていいのだろうか。


  • 長年にわたり美瑛町の観光政策に携わられた北海道大学の石黒准教授は「マナーの周知が必要」との持論を繰り返し、「中長期的には美瑛町を訪れるときには必ず施設によって観光マナーを知ってから行くとか、旅行者の訪れ方を設計していくことも大事になる」と言われています」 しかし考え方はいいが「訪れるときには」との条件は満たしようがないのだから、わたしには空しく聞こえます。(2024-2月末のSTVニュース)再生はこちら(約30秒)


  • 現場において観光客の行動を抑止するしかありません。現にこのニュースには、AI監視カメラによる多国語の警告メッセージが効果あるとの役場の見解と、現場で注意を受けた観光客が「規制線がないNo Line」と居直っている場面があります。ここに切り口があります。再生はこちら


問題に向き合う


現場をみてきちっと問題に向き合わないといけません。


解決すべきはオーバーツーリズムでも観光公害でもありません。予期される究極的な結果を見て、問題を明確に二つに区分します。

  1. 農地の侵入 →懸念されるじゃがいもの疫病の大災害を未然に防止する

  2. 農道の妨害 →懸念される農道における人身事故を防止する(渋滞そのものは農家が引き続き我慢するとの前提で)


今回は、1の農地の侵入に絞って考えます。理由は、

  1. 観光条例で定義した行政の規制手段は道路規制のみ。これは1と2の両方に効果があるが、規制の発動と解除の条件を明記していないのであらゆる手を尽くしたと町民に言えるまで発動できないでしょう。その結果、大問題が起きてから発動となる可能性が高いと思われます。

  2. しかしいったん1の問題が起きれば万事休すとなるので侵入を何としても防がないといけない。これが現実の目標となるでしょう。(2の問題は不幸にして起きれば交通事故として解決できる)


観光客に見せて知らせるルール(マナーではない)

いままで明らかになっていることは観光客に「畑に入ったらいけない」というルール(マナー)を知らせることができていないことではないでしょうか? 


  • ルールを見せて知らせるのは美瑛の責任です。そもそもマナーをまもるかどうかは個人の問題であり押し付けはできません。でもルールは押し付けることができます。

  • そのルールを現場で徹底するためには見えるようにすることです。「規制線がないNo Line」と居直らることのないように。

  • ヒトの手でつくった農地の景観を守るためには、ヒトの手で万里の長城(規制線)を築いて防衛するしかありません。規制線は万国共通のルールとなります。

  • 町道の無電柱化ができるなら、こちらはもっと安上がりでできるのでは?

  • とにかくマスコミや評論家を相手にせず、被害を受ける農家が「ルールを見せる。守らせる」ために自衛の声を上げないと始まらないと思います。


規制線(フェンス)と景観


問題は規制線が景観に与えるデメリットと、農地侵入のルールの可視化と規制効果というメリットの比較です。わたしは最近導入したAI監視カメラに規制線を追加すると相乗効果が期待できると予想します。


景観に与える懸念については人間の目が慣れてしまえば問題ないと思います。携帯の基地局もそうです。私の知っていたドイツの美しい風景も2000ごろから風力発電が乱立して変わりましたが、今となっては受け入れられています。というか人々が哲学を外部に適応してアップデートしたのです。


スイスの事例

Windows11のAIチャット(Copilot)に次の質問を入れてスイスの観光客の立ち入り問について訊きました。正確を期すため英語にしました。答えは日本語で返ってきました。

  • Do you have some pictures of wired fences built on the field to separate from the roads, in Switzerland in order to prevent tourist from entering the designated field?

  • AIの答:スイスの冬は美しい風景が広がりますが、観光客の立ち入りを制限するためにフェンスが設置されている場所もあります。これらのフェンスは、特定の野原や農地に立ち入ることを防ぐ役割を果たしています。以下は・・(省略)

  • 12個の答え(それぞれ10個ぐらいの写真)のうち一つを紹介します。クリック


上記はワイヤ-柵について問いましたが、wired fences を fencesに変えると木製の柵の写真が出てきます。

  • これも12個の答え(それぞれ10個ぐらいの写真)のうち一つを紹介します。クリック


ようはスイスにおいては防護柵と景観の問題は克服されています。下記二枚↓↓

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ドイツの景観


Windows11のAIチャット(Copilot)に次の質問を入れてドイツの風力発電と景観の問題を訊きました。正確を期して英語にしました。答えは英語でした。

  • Do you have some pictures in Germany of wind turbines built in the tourist spots?

  • AIの答えの抜粋訳:『風力は、モダンなデザインによりクリーンエネルギーだけでなく観光の目玉にもなっている。絵になる立地に立った風力発電の写真をここに掲載します。これらはエネルギーのみならず景観に対して独自の視覚効果をもたらしています。』(まあ、これはAIによる電力会社のWebサイトの要約であり偏っているかもしれません。風力と景観に関し美瑛町のゼロカーボン実現計画とは異なる見解です。ドイツ哲学でアウフヘーベンしたのかもしれません。)原文はこちら↓↓



                                                

まとめ


問題を目の当たりにして何かの手を打たないとニセコのように後手に回っての規制となりそうですね。


  • 観光客の侵入防止の防護柵(木製かワイヤー)とAIによる監視警告装置の組み合わせで必要な領域をきちっと防御するというのがわたしの提案です。

  • 観光客に観光マナーを啓蒙するというのはこのブログの始まりのころ(2015年)からありましたが、できませんでした。

  • ニューヨークタイムスの記事に曰く『東京ドームのテイラースイフトの公演の特等席(前から3列目)に13万円払ったが前のひとが立ち上がって、ルールを守った私は見えなかった、マナー違反だとぶつぶつ言っている日本人。海外のサッカーの試合で礼儀正しい行いと称賛されているが日本に戻って自分たちの基準を訪問者に押し付けることは敵対的になりかねない』


現状を見つめ直して、町民として新しい解決策を行政とともに考えていく時ではありませんか? 

景観を変えないことが大事なのか、すこし変えてもトータルで人間の環境を守ればいいと考えるのか。柔軟な哲学が必要だと思います。ドイツの変貌を見ているとそう感じます。


役場も、スイス、ドイツ、スペイン、イタリアの大使館に現地の対策の実体を問い合わせるなど、もっと動くことがあるのでは。京都・鎌倉・ニセコと美瑛は異質なのでだれも教えてくれません。


 

今回はここまでです。

2024-3-17 Noriaki Gentsu @ NorthQuest(ノース・クエスト)・・Quest=探求する

 
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