あらすじ
このまちは25年経っても基幹産業がらみの地域課題を解決できなかった
このままなら景観どころか、未解決の問題を継承する事態になりかねない
地域課題に対するアプローチに基本的な間違いがあると思う
なにが問題か
ここに北海道新聞1993年8月26日朝刊の記事情報がある(下の写真)
― 美瑛の丘に“観光公害” 写真撮りに畑へ/ごみポイ捨て 農家から苦情続々 美瑛 ―
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記事の内容から、いまもあまり変わらない部分を抜き出してみた。
観光協会の「畑に入らないでください」のカンバンを立てかける
観光アドバイザーが交替で毎日、丘の周辺を見回っている
農家は農道の入り口に古タイヤを置いて・・・・たりして自衛に努めている
農家のとっては観光客の増加が収入増に結び付くわけではなく・・・・
町商工観光課は「農地は大切な生産の場、観光客のモラルに訴えていくほかない」
これをまとめたつぎの三項目から導かれる結論は、この問題に対して25年のあいだ基本の発想や行動が変わっていないということ。
いま問題に対して行っている基本のアクションは25年前もいまも変わらず
農家にとって観光はメリットがなく、迷惑な存在という認識は当時もいまも変わらず
観光客のモラルに訴えるしかないという発想は当時もいまも変わらず
ところで、ここ数年のフォーラムやワークショップではテーマにかかわらず、かならず「農業と観光」の問題が根深く絡んでくる。その問題が未解決で残っているという共通の認識がある。
つまりこのまちは、25年のあいだ問題が残っていても発想や行動が変わらず、結果として基幹産業がらみの地域課題を解決できなかった。だいじな地域課題をみずから解決できないコミュニティーになっていることが問題だ。
なぜこうなるか
このまちがだいじな地域課題を長年にわたり解決できなかった原因は、科学的なマネジメントの考え方で説明できる。すべての課題が、科学的であれば必ず解決するとは言えないが、もし科学的でなければ100%解決できない。 ――次回以降のブログで内容をブレークダウンする予定
まとめ
現世代は、25年経っても基幹産業がらみの問題を解決できなかった。将来になにか継承すると言っても、このままでは未解決の問題を継承しかねない
人口減少と経済縮小に直面する若者世代に、現世代はなにを継承すべきか。この問題が長年にわたり解決できなかった反省こそ継承に値する ―いまの問題を解決せずに将来を論ずるのはナンセンス
それを生かして、彼らが地域課題のマネジメント能力を高められるよう支援することが、すなわち持続的なまちづくりにつながる
by Noriaki Gentsu @NorthQuest, びえい未来ネット
参考資料
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