あらすじ
青い池の冬のライトアップは、H22からH28の宿泊産業の競争力アップにつながっていない
急成長する市場環境の変化と自分の位置を検証し、数字や儲けにこだわらないといまの客も奪われてしまう
このまま風物詩の恒例行事におわれば、新しい事業目標にチャレンジしなくてもよい風土 ―まちの活性化と逆行する作用をうんでしまう
データの説明
(平成も西暦も年度で表わしています。下にスクロールすると問題の説明に続きます。)
1.上川管内の宿泊延数―H22とH28の年間の比較
H22年3,090(千人)からH28年3,567(千人)に
そのうち外国人: H22年257(千人)からH28年776(千人)に
2.上川管内の宿泊延数―ライトアップ期間(11月~3月)の比較
H22年952(千人)からH28年1230(千人)に、増加278(千人) -図41-1
年間に占めるこの期間の構成比が、H22年31%からH28年34%に増加
その増加278(千人)を管内の市町村でどう取り分けたかみる。ー図41-2
占冠村、旭川市、富良野市で管内増加278(千人)のうち95%をとった
美瑛町はH22年比147%の大幅増だが、管内増加278(千人)から25(千人)をとったに過ぎない
冬の成長市場で負けれいる
3.そのうち外国人、ライトアップ期間(11月~3月)の比較
そのうち外国人:H22年97(千人)からH28年350(千人)に、増加253(千人) ―図41-4
年間に占めるこの期間の構成比が、H22年38%からH28年45%に増加
その増加253(千人)を上川管内の市町村でどう取り分けたかみる ―図41-5
占冠村、旭川市、富良野市で管内増加253(千人)の95%をとった
美瑛町はH22年比464%の大幅増だが、管内増加253(千人)から3..5(千人)とったに過ぎない
冬の成長市場で負けている
4.市場成長の果実をとれない美瑛
美瑛の数字を単独で、H22年からH28年の伸び率でみれが大きな増加となっている。
しかし、市場競争の観点でみると青い池のライトアップの効果は見えない。冬の成長市場で負けている。ライトアップの努力と関係ない大きな市場トレンドに打ち消されている。
具体的には・・
下は国内と外国人を合わせたグラフ。ー図41-3
下は、外国人だけ取り出してみたグラフ。 ー図41-6
下は、上の二つのグラフの美瑛の部分を取り出して合わせたグラフ。 -図41-7
なにが問題か
上のデータから市場競争の観点でライトアップの明確の効果が見えなかったので、毎年のライトアップに投入する町の予算1300万円を企業の広告宣伝費と考え、経営の観点でみても採算が合わない。
売上高の5%が宣伝費とすれば、いくらの売上げで採算が合うか ―(注2)
客単価13,000円で2万人の増客、ライトアップ期間の売上で2.6億円の増収がペイライン
2万人の増客は上の図41-7では縦に20の変化(2目盛り)の上昇だが、H26にそのような変化はない
未達ならライトアップのコストが売上高利益率を下げるので、なにもしない方がまし
2年目は3択の判断となる →縮小して継続、企画内容を変えて再トライ、やめる
未来の視点でみると問題はこうなる
未来の視点からの問題は、1300万円の目的が抽象的なので効果がなくてもやめる理由がない、しかも自動的に予算がつくから経済的インセンティブが事業者に働かない。一事が万事。長い目でみるとまちのマイナス。
既存の事業者は自分のコストでないからリスクをとる必要がない
そうなると、リスクをとって新規参入したい起業家を受け入れるまちの風土が醸成されない
まとめ(今後どうするか)
1.ライトアップをまちの経済に活かすため、目的ごとに目標を決めて成果を検証、適切な自己負担をもとめ経済的インセンティブがはたらく仕組みにする。
白金地区、あるいはほかの施設の新規の集客アップのため
宿泊客にライトアップを見てもらいリピートしてもらうため
ライトアップを見に来た人が帰りに市街地に寄ってもらうため
単なる冬の風物詩を提供するため
2.上記で浮いた公費を、新規の起業者や事業プロジェクトの立上げ・自立・加速の補助エンジンとなる資金にまわす →参考記事(注3)
by Noriaki Gentsu @NorthQuest, -びえい未来ネット
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参考資料
(注1)経済部観光局―北海道観光客入込数調査報告書→ページへ
(注2)企業の広告宣伝費について(東洋経済オンライン)→ページへ
(注3)自治体が前面にでない新規事業プロジェクトの育成例(ITメディアビジネスオンライン)→ページへ
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