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(No.50) 説明責任を避ける/美瑛町・公共施設長期見通し

最終更新: 2019年9月22日



あらすじ

1970年代から建築した公共施設・インフラの寿命が近づくなか、人口減少にあわせどう削減し財政とバランスとるか――全国の市町村が30年超の長期見通しを推計している。ところが美瑛町長は、長期見通しと計画化を否定。気がつけば住民にこの情報を知らせないのは、道内179市町村のうち美瑛町を含む3町村だけ、とても容認できない。未来の課題に目を閉ざし、説明責任を避けた弁明に終始する議会答弁・・・困ったものだ。 

人口減少に合わせ公共施設を減らす時代


高度成長期に建築した公共施設やインフラの寿命が2040年にかけ大量に到来、人口減少と財政縮小にあわせた公共施設の削減が必要となる。そのためすべての自治体が公共施設の長期見通しと計画化をおこなうこととなった。(上図)

総務省の事前調査は、いまある公共施設をすべて維持、築30年で大規模改修、築60年で建て替えるとすれば、今後30年間の年平均の建築事業費がいまの2.6倍になると推定。狙いはじめから公共施設の削減となる。(注1) 

30年超を見通し、削減計画を住民と共有


上図のステップで、今後の推計と削減レベルは簡単に求まる。削減計画を住民と共有することが重要だ。

  • (台帳)固定資産台帳の情報整備

  • (今後の推計)総務省のシミュレーションソフトで求める

  • (現状と比較)将来と直近の建築事業費を年間で比較し、必要な削減レベルを求める

  • (住民と共有)修繕・統廃合・更新の計画化して住民と共有する

削減根拠の情報公開


公共施設の削減のシミュレーションデータが公開されたか、総務省のホームページで確認できる。(注2)

  • 美瑛町・愛別町・真狩村を除く道内176市町村が、求められた「公共施設等の維持管理・修繕・更新等にかかる経費」の長期にわたる「今後の推計」を行った

  • 美瑛を含3町村は、計画はあるが「今後の推計」の記載がない

2040年代に人口が6000人に激減する状況をまえに、美瑛だけ重要な情報を住民に知らせないとは容認できない。  <関連記事 →(No26)中身の乏しい計画

美瑛の住民に知らせない情報とは

美瑛町の住民に隠された情報はどういうものか? 東神楽町の例(下図)でわかる

ー計画書本編は 東神楽町(注3) 美瑛町(注4)

同町は具体的な更新・改修・統廃合の方針を含め、計画を住民説明会で説明したという。

人口減少が美瑛町より少ないのに、公共施設(建物)の費用をいまの半分にしなければならない。

  • 道路などインフラを除く公共施設の調査結果のみ示している

  • 推計は、総務省の仮説のとおり、今後30年の建設費用が319.3憶円、期間平均の事業費/年(A)=10.3億円、直近5年間の建設事業費/年(B)=5億円/年(A)÷(B)=2.06倍

  • 20130年まではのきなみ平均を超える年度がある

公共施設(建物)の多い美瑛町は結果が相当悪く、行政の裁量に不都合なため公開しない可能性がある。


説明責任を避けた答弁

2040年代に人口が6000人に激減する状況をまえに、美瑛だけ重要な情報を住民に知らせないとは容認できない。 道内ほぼすべての市町村の住民が知っている。東神楽町では住民説明会まで開いたという。

いままで自治体の公共施設運営は、たとえハコモノ行政といわれても首長が柔軟な政治力を発揮し地元に貢献する場であった。多くの廃校もうまく転用し、過疎でもカネがまわってくる。財政が公共施設の足をひっぱることはなかった。

だがこの問題は違う。住民と対話すべき問題にもかかわらず、議会答弁は説明責任を避けた堂々巡りの弁明となっている。(下図)(議会情報は注5)


議会答弁――合理的でない弁明(上図)と <・当ブログの指摘>

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1.「地震や災害、将来なにが起こるかわからない、心配したら委縮してうまくいくものも行かない・・・」

  • <地震・災害と違い、人口減少は確実に起こる統計的な事実・・美瑛の政策で変えない限り・・>

  • <ほかは粛々とやっている。美瑛だけやりたくないという理屈>

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2.「公共施設は首長の政治マターだから、30年の見通しと計画をつくっても、将来あたらしい首長が変えるかもしれない・・・」

  • <心配しなくても、将来の住民が選択する>

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3.「総務省の思惑で市町村の合併・広域連携・公共施設の統廃合を狙っている。自分たちで決められなくなる・・・」

  • <だから財政と公共施設を共有し、住民がまとまらないと・・>

  • <だから小さくても美しい村として存続できる計画が必要>

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4.「美瑛町が独自に向こう6年を見通した「美瑛町財政運営計画」で、いま求められているものはある程度できている・・・」

  • <これは短期間で計画と実績のずれが大きいから、長期にはなおさら使えない > (注6)

  • <総務省の方法でやってみて、美瑛の方法を改良したらいいのでは・・>

まとめ

  • まちの活性化に必要なのはイベントでもお祭りでもない。未来の課題に目を閉じない、異なる意見がでるまで結論を出さない、そのために行政情報を共有することだと思います

by Noriaki Gentsu @NorthQuest, -びえい未来ネット

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参考資料

(注1)1970年代から建設した公共施設を更新すると現状の2.6倍の費用が要る  引用資料→Click


関連の総務省ホームページ →CLICK

(注2)「公共施設等管理総合計画」の主たる記載内容等をとりまとめた一覧表(総務省、平成29年3月31日現在)→CLICK

(注3)東神楽町の「公共施設等管理総合計画」→CLICK

(注4)美瑛町の「公共施設等管理総合計画」→CLICK

(注5)公共施設等総合管理計画に関する美瑛町議会第5回定例会(2018-9-19)の質問と答弁の骨子

―角和浩幸議員の質問の要旨 (YouTube議会中継 カウンタ 13:44 28:48)

  • 人口減少下の自治体行政において、老朽化する公共施設が自治体財政を圧迫する可能性があるので、公共施設の適正管理、最適配置が求められている

  • 2014(平成26)年の総務省の指針にもとづき、本町は2017(同29)年3月に美瑛町公共施設等総合管理計画を策定したが、中長期の経費や財政の負担を見通す数値が記載されていない

  • こんご、人口減少による財源縮小、公共施設の利用減、町民一人当たりの負担増、施設の統廃合など多くの課題が見込まれるので、総務省指針改訂版(平成30年2月27日)に沿って本町計画を改訂し、30年以上にわたる見通しを試算する必要がある

―浜田哲町長の答弁の要旨 (YoiuTube議会中継 カウンタ 18:23 28:48)

  • 毎年、情勢変化や町民ニーズを反映させたむこう6か年の必要経費を一般財源試算する「美瑛町財政運営計画」を独自に策定しているので、方針のみ記載した管理計画で総務省の承認を得ている

  • 公共施設等は町民の安心と活用を前提に、既存の維持費や新設の経費の中長期の見込みをたて、今後の維持管理が可能となるよう「公共施設等整備基金」を整備し、議会の承認も得てきた

  • 改定指針の内容は一定程度できているという認識だが、本計画を改定するかどうかについては総務省に確認してみるが、いままでどおり美瑛町なりの計画の方法で進めたい

(注6)→関連記事 (No.48)美瑛の2040年問題=財政計画の信頼性を高める

#未来の課題

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