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(No.74) ふるさと納税~経済効果とマーケティングのあり方を考える


80:20の法則という経済の経験則によれば、全体を構成する20%の要素(市町村数宇)が全体の数値(納税寄付総額)の80%を生み出す。つまり上位20%に入らなければ一流ではない。 (Photo from Adobe Stock).

あらすじ

ふるさと納税はインバウンドや基幹産業と同じ経済効果がある。しかも、投資が少ない。美瑛町のふるさと納税の実績は低い。特産物とマーケティングの市場評価にほかならない。自他ともに一流(上位20%、36位)に入る目標を設定すべきだ。



ふるさと納税、どうなっている?

北海道新聞朝刊(2019-1-5)の記事見出し。2018年のふるさと納税寄付額が道内で2位の根室が、2019年度は12月時点(第3四半期)でTOPに立ち、リピート率も40%超に急増と・・

根室ふるさと納税 道内最高超え 19年の年末時点 すでに61億円


そこで、総務省のポータルサイトの下記データにより北海道179市町村の状況を調べた。

平成30年度受入額の実績等

各自治体のふるさと納税受入額及び受入件数(平成20年度~平成30年度)EXCEL

図1 -2018年(H30)のふるさと納税金額の道内179市町村のランキング。6位以降は注目の自治体のみ。1位の森町、3位の八雲町は返礼品率が約50%のため2019年度総務省から規制を受けた模様。

図2 -全道179 市町村の上位5市町村の金額推移。森町と八雲町は政府の指導を受け、こんご低下する模様。


図3 -美瑛町近隣の市町村の金額推移。

低すぎる、わがまち美瑛!

道内179市町村のランキングで美瑛町は、納税寄付額は65位、件数で84位とは期待外れ。これが美瑛町の特産物とマーケッティングに対する市場評価なのだろう。どこまで順位を上げるべきなのだろう。一般論と経済効果の両面を考える必要がある。

  • 80:20の法則という経済の経験則によれば、全体を構成する20%の要素(市町村数宇)が全体の数値(納税寄付総額)の80%を生み出す。つまり上位20%に入らなければ一流ではない。

  • 179市町村の合計額は503億。上位20%(36位)では 394憶。-ーちょうど80%。



インバウンドもふるさと納税も経済効果は同じ

根室市のふるさと納税によって、圏域内に追加的な新たな最終需要額が50億円発生した場合の、圏内経済に及ぼす効果を「平成17年北海道内地域間産業連関表」(北海道開発局)により推計した。


50億円の使途の内訳を仮定し、経済波及分析ツール《 釧路・根室圏 》にインプット。(ちなみにインバウンドの経済効果も同じように求める。)

  • (返礼品と諸経費の合計25億円)の内訳: 11水産食料品 12.5億円 52運輸 9.5億円 60対事業所サービス 3億円

  • (正味納税寄付額25億円を市の予算で消費)の内訳: 49商業 10億円 06漁業 5億円 55公務 10億円


分析結果のサマリー(図4)

図4 ー根室市のふるさと納税額50億円を事例とした経済波及効果の推定。《 釧路・根室圏 》 なお、内訳は図5を参照のこと。

分析結果の内訳(図5)

図5 ー根室市のふるさと納税額50億円を事例とした経済波及効果の推定。《 釧路・根室圏 》 図4の内訳となる。

内訳の読み方(図5)

  • 50億円が新たな需要を《 釧路・根室圏 》※に生み出したとき、19億円が域外に流出、域内に残った31億円が直接生産誘発効果

  • その31億円を生産するため、一次生産誘発8億円、2次生産誘発(迂回効果)6億円を併せた14億円が生産誘発効果

  • 以上の生産誘発効果の合計は45億円。これは31億円の1.45倍(乗数効果)

  • 45億円の生産から生まれる付加価値(域内GDP)は27億円

  • RESASによる根室市の2013年の経済規模(域内GDP)は833億円。よって、2018年のふるさと納税のGDP押し上げ効果27億円(3.2%)。これが毎年つづくから効果大。

※ 使った産業連関表の域内とは《 釧路・根室圏 》のこと。便宜上それで根室市の経済効果を求めている。これは、「根室市と釧路市の取引は、根室市と域外のもの比べ十分小さい」と仮定したことになる。


この推計の総括レポート(本編)と、エクセル表をダウンロードできます。



ふるさと納税の取り組みを見なおそう

  • 経済効果 ふるさと納税で上位を占める市町村は、小さな産業がひとつ増えたほどの経済的インパクトを得ている。ふるさと納税は、インバウンドや基幹産業と同じ効果をもたらす。しかも投資が少ない。

  • マーケティング 美瑛町のふるさと納税の実績は低い。特産物とマーケティングの市場評価にほかならない。ビエーティフル商品の競争力を考えるべきだ。

  • 目標設定 自他ともに一流(上位20%、36位)に入る目標を設定すべきだ。これは基部件数で約2万人の増加。30万人弱の宿泊客を2万人ふやすより可能性が高いかもしれないし、乗数効果はおそらく同じだろう。


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参考資料


Noriaki Gentsu @NorthQuest

◆起業や地域の問題解決を目指す若者にむけ、「北の若者塾」を始めました。 https://www.blog1.northquest.net/

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