あらすじ
美瑛町議会。このまちが持続的な発展のため、議会が行政を監視する役割を果たす必要がある。委員会の審議記録に残し、政策の課題を継続的にフォローする、若い世代にまちづくりの課題とノウハウを継承するといったまちづくりの基本にかかわってくる。
何が問題か
まちづくりにおける町議会の役割をより高めなければならないとの思いから、昨年12月の定例会についてつぎの投稿をし、今回はその総集編となる。
なお3月の定例会(※末尾の参考資料)の令和2年度予算審議でも同じだと判り、ここに改めて問題提起することにした。
まず、いまの問題をつぎのように考えている。
町民に関わる予算や条例の審査は、町民に選ばれた議員が委員会で行う
委員会の審査結果は本会議に報告され、通常は「原案可決」となる
「原案可決」は問題でなく、「原案可決」の背景にある審議内容が町民に見えない、つまり審議記録がないという問題だ
審議記録がないと、何が問題か
町民に選ばれた議員として、町民にフィードバックしていない
行政の課題を継続的に監視できない
継続的な監視とは
行議会は4年の任期。毎年の予算審査で言いっぱなし聞きっぱなしとなれば、課題はいつまでも解決しない可能性が高まる。これは広い意味の損失となる。
たとえば「農業の人手不足解消」のための事業予算があったとして、今年の実績を問いただし、来年は同じ結果に終わらないよう注文を付けて予算を承認する。それが課題として記録に残れば、4年の任期が過ぎても「農業の人手不足解消」という課題の記録は町民の知的共有資産として残る。
その資産は、毎年の事業予算の審査の前提となり、議員を目指す若者の勉強材料となり、課題が公に継承され、切れ目ないまちづくりに寄与することになる。
ちなみに、「農業の人手不足解消」という同じ課題で行政と議会が停滞している現状は、憂慮すべきことと考える。
まとめ
美瑛町において、そういった行政の監視が機能しなかったことが、行政の独り歩きを許し今日の衰退を招いた一因と考えられないだろうか。
議案審議おいては、「賛成はするけれど、きちっと注文をつける」といった厳しさを議会に求めたい。それは記録に残すべきものだ。
一般質問においても、行政の監視となる本質をついた質問が欲しい。「町長の考えを聞かせてほしい」で終わらず、もっと勉強して「なぜこうしないのか」と追求することが町政の進歩につながる。
町長の提唱する4つのまちづくりを賞賛するだけでなく、「きちっとこれを早く進めよ。このまちが持たない」と、行政に迫る迫力が欲しい。
Noriaki Gentsu @NorthQuest
参考資料
3月定例会本会議における令和2年度予算審議の経過。
3月3日、行政の提案の説明のあと
予算特別委員会(非公開)で予算関連8議案の一括審査
3月19日本会議で委員長の報告「原案可決」(Youtube 所要時間2分30秒)
同、本会議における議員の質問も討論もなし
採決
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