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  • 執筆者の写真NorthQuest |びえい未来ネット

(No.21) H27観光入込客数の減少の意味


地域の魅力度のひとつの指標である観光入込客数の平成27年度統計(注1)で、全道および主な市町村にくらべ美瑛町が大きく数字を減らした。この数字は、「地域の魅力を高め、交流人口の増加によって地域活性化をはかる」と理念のみを追求するひとと、観光は競争と投資をともなう経済活動として戦略目標も追求するひとでは意味あいが異なる。本稿は、経済活動として公的予算を投入する限り、「観光入込客数の増加→域内消費・雇用の拡大→地域活性化」というビジネスモデルのマネジメントすべきとの立場で課題を提起する。

データから考えること

  1. (上図左・右 クリックで拡大)前年比で北海道全体の伸びに比べて美瑛町は11ポイントも減らしている。(北海道:+6%, 美瑛:-5%)

  1. 「たまたまこうなった」なら元に戻るからOK。よってビジネス感覚では「たまたまではなくピークアウト、つまり伸びの限界がきたかもしれない」と考える。美瑛の魅力が他との競争で相対的に落ちたと。

  2. ならば打ち手は「第2の青い池」を探すことか。昨年の北大の「地域資源(お宝)探し」はどうなったか。来年、日本ジオパーク認定が実現すればひとつの答えにはなる。

戦略目標とのギャップから見える課題

「美瑛町まち・ひと・仕事創生総合戦略」にある観光に関する戦略目標(注2)とのギャップが初年度から発生している。P-D-C-Aマネジメントのレビューによる課題の洗い出しと5年計画の再設定の必要性を指摘したい。

  1. 当初計画は観光客入込数を平成26年度の1,791,000人から平成31年度2,000,000人。つまり年率2.3%の増加が必要なところ、初年度の実績が-5%であるから、対計画ギャップ7.3ポイントを次年度からどう埋めるか。

  2. 北海道の初年度の実績は6%をみたとき、美瑛の当初計画(年率2.3%増)は保守的すぎて北海道全体の競争から離されてしまうのではないか。

戦略的であれ

平成26年度に富良野市を抜いて観光入込客数179万人を達成したときは観光の関係者はこぞってその偉業に言及した。平成27年度で170万人を切ると、こんどは「若干落ち込んだ」、あるいは「数字だけを追うものではない」とその声が変わっている。これは目標数字がないからそうなる。目標がなければ戦略ではないしビジネスでもない、またいくら公的予算を投入しても目標にたいする成果を評価できない。

これからは地域間競争に打ち勝つ戦略的な展開が必要である。そのために必要なことは、

  1. 地域をひとつの会社にみたてて「観光入込客数の増加→域内消費・雇用の拡大→地域活性化」というビジネスモデルの目標管理を行う体制→DMOの役割

  2. 公的予算といえども自己資金の感覚で事業効果を追求する姿勢→DMOの事業報告

by Noriaki Gentsu @NorthQuest

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参考文献 注1)北海道の観光入込客数調査報告書ー平成27年度 (北海道経済部観光局)

注2)美瑛町まち・ひと・しごと創生総合戦略ー平成28年3月4日 (美瑛町)のP.14

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