(上のグラフはクリックで拡大します)
通年型・滞在型の観光が課題であると10年以上言われ続けている。これは冬の宿泊観光が長いあいだ進展しなかった意味になる。進展しない理由は、観光客を地域間で奪い合う市場おいてデータに基づく科学的な戦略アプローチがとらないからである。つまり目標数字を持たないからである。本稿は、観光データ(注1)の分析により、冬の宿泊観光の厳しい競争の世界に後発で参入する目標数字を設定できるのか、あるいは早くあきらめて別の土俵で戦うのか関係者に問いかけるものである。競争を大局的に見ると、美瑛は弱者の戦略をとるべきであろう。
データから考えること (グラフはクリックで拡大)
上の3つのグラフはH27の宿泊客延数を月次で示している。左は全道・札幌・函館の上位グループ、中央は富良野・旭川を含む中位グループと美瑛の比較、右は美瑛のすぐ上に位置する下位グループと美瑛の比較である。
冬季に美瑛の上位にある地域はほとんど夏と冬に大きなピークを持っている。これは冬の宿泊観光の競争に美映が後発で参入する厳しさをあらわしている。さしあたって、近隣で競合する旭川・富良野・上川にない差別化要素で勝てるシナリオがあるか、この競争に新規参入する事業者がいるか、このふたつの答えをだしたほうがよい。
外国人の冬の宿泊については次の稿で分析する。
by Noriaki Gentsu @NorthQuest
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参考文献 注1)北海道の観光入込客数調査報告書ー平成27年度 (北海道経済部観光局)
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