この会合に参加して思ったこと。町民に意見を聞いても「言いっ放し、聞きっ放し」に終わりがちな現状。複雑な町政のテーマは双六(すごろく)のように「あがり」に辿り着くルートが見える化すると考えがすっきりする。今回の会合はこのふたつが混在。これから町民参加の充実には会議のファシリテーターの育成が急務だと思う。
※この投稿は会議の内容を細かく解説するのではありません。
※2025-2-3 この会に参加した読者の声を追加しました。(末尾)

目次
講演に学ぶ~町民の意見を聞くためのテンプレート
2月1日の青木宗明教授(神奈川大学教授)の講演からつぎのことを学びました。(講演会パンフレット)
宿泊税・駐車場利用税の条例は単に賛成か反対かの議論では済まない。
このまま行くと美瑛町の財政が困ったことになるかどうか町民は知る必要がある。
適切な論点(正しい問いかけ、テンプレート)なしに町民に意見を聞いてもあまり意味がない。
青木教授の講演のレジュメをアップしました。
青木先生の示したレジュメは、一種のテンプレートです。答えを導くために論点整理(正しい問いかけ)を漏れなく重複なく構成しています。すごろく(双六)ゲームのように最後はゴールに到達できます。
まず前提となる事実をきちんと数字で共有しています。(問題の特定)
次に、考えうる選択肢を数字で示しています。(解決のための選択肢)
最後に、総合的な損得の判断の複数の軸を示しています。(財政収支と経済効果と社会的効果)
これに照らしてわが町の現状はどうなっているでしょうか。
(問題の特定)町民を集めて「この案について何か意見はありませんか」とやって「言いっ放し、聞きっ放し」に終わってしまう。とくに前提条件となるデータが貧弱です。
(解決のための選択肢)「この案に賛成か反対か」と一択の議論を町民に投げています。すくなくとも、他にどんな案を検討したのかの情報もありません。
(評価判断の軸)町民から意見を聞いて、厳しい意見にさらされたあとは行政が総合的に判断しますと時間切れに持ち込みます。総合的とはどんな切り口かも言えません。
これをまとめると、情報共有と町民参加の品質が求められていると考えます。
意見交換会に思う~意味があったか?
せっかく青木教授が意見交換会用のために単純明確な設問を用意してくれたのに、わたしのグループに限って言えば意見交換会はほぼ「言いっ放し、聞きっ放し」に終わりました。その理由はつぎのようにまとめることができます。
よく考えられた青木教授の「みなさまのシンキング・タイム」の論点で話し合いがなかったこと。
代わりに意見を求められたのは意見交換会のテーマの「観光客を迎えるために必要なこと(人・もの・財源)」とはほぼ違ったこと。・・・「議会や町政に思うこと」「観光振興について想うこと」「議会に望むこと」などホンワカとしたもの。
この日の全体のまとめがグループとしても全体としてもなかったこと。「多くの観光客を迎えるまちがせざるをえないこと」に対して得られた答えは何だったのだろうか。
こんな進め方なら、問題がますます高度化している行政のチェックはできないと感じます。しかしすべてを決定する権限は議会にある二元代表制の危うさを感じます。
まとめ
意見交換会も毎回充実してきましたが議会のホームページに前年の記録やチェックリストすらありません。(自治基本条例第11条の3) 世の中は変わり、町政の複雑な課題の町民参加にはファシリテーターが必要なほどです。外部人材を活用した教育研修が必要です。
自治基本条例の施行から、広報やホームページやSNSで町政の情報公開が増えたこともあり若い町民の参加が活発になっています。(まちづくり委員会の傍聴者数、町民コメントや町民提案の件数、議会の意見交換会の参加者数など)
そういった若い町民が2年後の町議選に数多く出馬し、切磋琢磨と新陳代謝が起これば、議会が活性化し行政の緊張感も増すかもしれません。
読者の声
>>おはようございます。
>>整理くださりありがとうございます。参加して、同じような感想を持ちました。
恥ずかしながら、税にまつわる事実はこういうことだったの、というのが初めて分かりました。
意見交換会はいろいろな立場の人の考え方を知ることができたのはよかったです。議員さんは、報告のために場をまとめようとしていて、深い議論にはなりませんでしたが。
ひとつ、グループの中で参加者がつながって、議会とは関係ない動きが出てくるかもしれない可能性は感じました。
道の宿泊税は無理ではという話しはびっくりでしたが、宿の人たちの反対する理由が少しだけ減ったのかなと思いました。税金に相当する額を集めて納めるまでの手続きで、宿の人に負担がかからないようなシステムを町が提供すれば、反対する人はさらに減るのでは考えます。
参考資料
条例の概要「宿泊税・駐車場利用税の条例の制定について」
町民コメントページ:「宿泊税・駐車場利用税の条例(案)の制定について」
2024年6月に立ち上がった観光振興の財源検討委員会が、町民にとって衝撃の事実を公表しました。観光振興のために8億円(町民ひとり当たりで84,000円)もの財源が、町民サービス低下となる格好で使われていること
今回はここまでです。
2025-2-2 Noriaki Gentsu @ NorthQuest(ノース・クエスト)・・Quest=探求する
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