あらすじ
SDGs(持続可能な開発目標)が地方創生に組み込まれ地方自治体に導入される。しかし、企業が継続するための考え方や経営手法でムダをなくすのが先だろう。たとえば、行政の事業、補助金、外郭団体に「ECRSの原則」で合理化し、浮いたヒト・モノ・カネを成長戦略に振り向ければ、衰退に歯止めをかける可能性は高まるだろう。
ECRS
『ECRSとは、業務改善を実視する上での、順番と視点を示したものである。ECRSは、Eliminate(排除)、Combine(結合と分離)、Rearrange(入替えと代替)、Simplify(簡素化)の英語の頭文字を選択したものである。業務の改善においてECRSを適用すると、改善の効果が大きく、過剰や過小な改善も避けられ、さらに不要なトラブルも最小になることが知られている。』 引用:日本能率協会コンサルティングHP 、下線は筆者。
下線について補足すると、
コストや手間の観点でやりやすい順番がE-C-R-S。改善効果が大きい順もE-C-R-S。つまりやりやすい順番が効果の大きい順番。
よって、ECRSは改善効果が大きい。やり過ぎとか効果がないといったことにならない。不要なトラブルが少ない
Eliminate(E, 排除、エリミネート)
最初に行うべき行動。
組織や仕事の目的に照らし不要なものをなくすこと。たとえば、ルーチン化した業務(既存の会議/報告/手順)。投入するコストや手間がかからない。なくせる効果は大きい。もともと不要なものなら弊害は少ない。
Combine(C, 結合と分離、コンバイン)
E(排除)を行ったあとに行うべき行動。 組織のなかの類似した業務を結合する、また異なる性質をもつ業務を分離し、類似したもの同士をまとめる。投入するコストや手間がかからない。似たような業務が集約するので効率が高まる。業務の入れ替えなので弊害は少ない。
Rearrange(R、入替えと代替、リアレンジ)
E(排除)とC(結合と分離)のあとに行うべき行動。
組織のなかの業務の順序/場所/担当の入替など、小規模の再設計をおこなう。
業務の円滑化と品質、および効率化が進む。ひとの仕事は変わるが、基本的には小改善なので、導入が困難ということはない。
Simplify(S、簡素化、シンプリファイ)
E(排除)、C(結合と分離)、R(入替えと代替)がおわったあとに行うべき行動。
組織の業務プロセスを分析し、あるべき姿を根本的に再設計する活動。業務の手順、情報の伝達方法、書式の更新、情報システムの更新、あるいは組織の再編など仕事のシステム全体を最適化する。
行政のECRS
もともとは生産工程のカイゼンの考え方だが、JISの生産管理用語に定義されるほど汎用性が高い。Googleで「ECRS」と入れると、多様な職種の情報が得られる。
ECRSの原則を、もともとカイゼンの概念に乏しい行政に応用すればヒト・モノ・カネの合理化が大いに期待できる。得られた資源を成長戦略に振り向け、衰退に歯止めをかけるという考えは理にかなっているとおもう。
行政がECRSを実行するあたり、判断基準として明確にすべきことがある。
本来の目的~その業務、活動イベント、組織は何のために存在するか明確にする
それがわからなければ、Input(予算)とOutput(仕事の結果)とOutcome(成果)の関係から、顧客(住民)にもたらす便益はなにか明確にする
最後にその便益が、住民に望まれているかどうか明確にする
Noriaki Gentsu @NorthQuest
◆起業や地域の問題解決を目指す若者にむけ、「北の若者塾」を始めました。 https://www.blog1.northquest.net/
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