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  • 執筆者の写真NorthQuest |びえい未来ネット

(No.131)予算の広報、肝心なことを省いて「分かりやすい説明」はないでしょう|自治の実践ー②

広報紙のデザインが格段に見やすくなりました。でも町財政と事業内容の省略は相変わらず。町債と将来負担の返済財源、各課の事業予算の詳細をオープンに広報で説明している自治体があります。町民は分からない、必要ないとフィルターをかけないほうがよい。



 

目次

 

他のまちを見てみた


東川町の広報(2022/4月号)令和4年予算の特集

最新の2023/4月号は選挙で短縮版のため、2022/4月号を調査しました。(広報のPDFが必要なかたはこちら


  • P15のコピー↓↓・・令和3年からの繰り越し事業(12億円)の説明では、「町の負担となる3.9億円については、後年に負担がかからないよう令和5年までに積み立てる」と説明しています

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  • P14の表をコピー↓↓・・・P13で個別に説明した令和4年度総額35億円のハード事業の資金繰りです。34億円の町債(借金)のうち国の交付税補てんと町の積立基金で賄えない、後年の町の実質負担額が2.5億円となることを明記しています。


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  • P14の表をコピー↓↓・・・以上の内容を積算して、令和4年度末の町債の残高見込みを説明しています。町債残高を使い道ごとに分け、国の交付税補てんと町の基金積み立てでほぼ支払いの目途が立っていることを明記しています。

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この町の優れている点は、以上のように町民に対し財布を拡げて、理解しやすい用語を使って明快に説明している点です。

  • 年度ごとに、(何の事業)のために(いくら借金)するか、その返済資金の手当てを(交付金)と(積立てた貯金)と(これから用意するお金)に分けてを明記

  • 借金の残高は、用途ごとに(後年に町が負担する額)を求めた合計に、(積立てた貯金)と(これから用意するお金)の財源を明記

  • 基金の残高の明細を並べることで、将来負担がコントロール可能であることを明示

 


東神楽町の広報(2023/5月号)令和5年予算(別冊)


このまちの優れているところは、つぎのとおりだと思います。(別冊へのリンク

  • 広報別冊にて各課の個別事業の説明と金額をリストアップしているところです。下に事例コピー↓↓

  • 課毎の個別事業の説明と予算が網羅されているので、町民が関心ある事業に対して具体的に質問するなど町民参加のプラスになると考えられます

  • また団体や行事への補助金や助成金も含んでいるので透明性が増しています


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わが町との比較

広報紙による予算の説明の比較は下の表↓↓を参照ください。


評価は〇(あり)×(なし)△(不足)の3つですが、特に優れてわが町にあってほしいと思うものを◎としました。なお◎は、写真サンプルを付けて上で説明しました。


◎を付けた理由をもう一度整理します。

  • 事業内容・・事業の目的と内容と予算額をきちっと全部説明しようとしている(◎)か、あるいは形式を整えて内容は省略している(△)の違いを見ました

  • 町債・・将来の財政を心配する町民に向かって、年初の予算の段階で内訳と明細見込みを示してこれこれ返済のめどがあるから(◎)大丈夫ですよと語りかけているか、あるいは18か月後に総額だけ示している(×)かの違いを見ました

    

美瑛町

東川町

東神楽町

  広報の公開月

  4月 2023/7 8ページ2022/4 6ページ

  4月 2023/4 4ページ ※短縮版2022/4 8ページ

5月別冊 2023/5 19ページ

  施政方針

  歳入歳出

  事業内容の説明

・7つの基本目標4億円分の事業内訳(R5) ・金額なしの公共事業(R5)

73億円分のハード・ソフト事業の内訳

各課の全事業を予算額付きで

  新規町債の用途と財源の説明(年初)

×

×

  年度末の町債残高の見込み説明(年初)

× 20か月後に決算   2023/12月号

会計別 臨時財政対策債も含み分かりやすい

  町債の町の実質負担分の内訳説明(年初)

×

  ◎ 財源明記   住宅利用料なども含み分かりやすい

×

  基金の明細(年初)

× 20か月後に決算で基金総額のみ2023/12月号

  ◎ 明細公開   備荒資金など全財源を含み分かりやすい


 

まとめ

  • わが町民に対する説明責任がいかに果たされていないか、比較データで示しました。わたしたち町民はこの程度が相応で、これで満足しなければならないのでしょうか?

  • 町民に難しいが肝心なことを省略せずに、分かりやすく説明するプロがいる。一方で形式だけ整えて難しくて肝心なことは省いて、分かりやすく説明したと言っているプロがいる。

  • 「町民にわかりやすく説明する」「説明責任を果たす」「町民参加」と言わずに、町の事業内容と懐具合を全部オープンに町民に投げている町のほうが町民と町政の距離が縮まると考えます。


今回はここまでです。これからまちづくりのリーダーを目指す皆さんはどう思われますか?

2024-1-7 Noriaki Gentsu @ NorthQuest

 

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