あらすじ
美瑛町の人口減少は、2014-2018年の5年間データによれば歯止めがかかっていない。近隣の市町村と比べ明らかな差がある。戦略と政策を転換しなければならない。答えはデータ(事実)のなかにしかない。「ひと」の動きと「しごと」を結び付けるシンプルな戦略と政策に特化しなければならない。
とまらない人口流出
政府の統計(e-Stat)の 「住民基本台帳人口移動報告」の2014-2018年の期間でみた美瑛町の人口流出がとまらない。(図1) ※期間中の連続的な比較のため、日本人だけのデータとなる。出生と死亡は除外していることに留意する。
近隣の町村とくらべても好ましくない傾向
2014年を基準値とした「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が効いていない
生産年齢人口(15-64歳)の流出が問題
「まちのしごと」と関係が深い「生産年齢人口(15-64歳)」の人口移動に着目し、男と女に分けて分析した。(図2、図3)
近隣の町村とくらべて好ましくない人口流出の原因は、この年齢層にある。
「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、「ひと」がなぜこの町を出ていくのか、そこに立ちかえった抜本的な作り直しが必要だ。
こどもはおとなの移動に依存
こどもの流入は、美瑛町だけみれば多いが、ほかと比べるとそうはならない。(図4)
美瑛町より人口規模が小さくてもこどもの流入がおおいところがある。(図4)
美瑛町は年間でこどもが181人も転入しているが、同時に140人も転出しているのが問題だ。(図5)
この140人は、おとながこどもをつれて転出しているとみてよい。
とるべき戦略はデータの中に
戦略のよしあしは、シンプルでまとが絞られていて、目の前の問題を解決できなければならない。何のデータをどのように変えたいか明確でなければならない。そして戦略の目的とKGI、KPIに事業内容が従属させる、その逆でははない。ー参照、(No.62)このまちに必要なもの--活性化でなく成長戦略
5歳年齢ごとにみた男と女の人口移動を見た。男女とも、15歳から24歳までの流出のピークを補ってあまりある流入が、15歳から44歳、およびこどもの年齢層に起きてほしいが起きていない。(図6、図7)
他の町村はそれが起きている。(図8、図9、図10、図11)
戦略の転換が必要な理由はまさにこの一点にある。
したがって、新しい戦略の目的も、この一点にある。
東川町のデータ
人口政策の成功例として取り上げられることの多い東川町のデータを男女に分けて見る。男女とも、15歳から24歳までの流出のピークを補ってあまりある流入が、15歳から44歳、およびこどもの年齢層に起きている。(図8および図9)
東神楽町のデータ
人口政策の成功例として取り上げられることの多い東神楽町のデータを男女に分けて見る。
男女とも、15歳から24歳までの流出のピークを補ってあまりある流入が、15歳から44歳、およびこどもの年齢層に起きている。(図10および図11)
※図10・図11のグラフを訂正しました。2019-11-08
Noriaki Gentsu @NorthQuest
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