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(No.78) 議会レビュー|もうひとつの『全員の委員会』というリアル


たとえ小さくても、値上げというものを大局で考え、次回の値上げにも耐えられる判断基準、賛成の理由として町民に説明できるか。多数の賛成意見は、少数の反対意見を論破できたのか。多数が正しいと町民に説明できるか。

あらすじ

2019年12月美瑛町議会。料金値上げを議論する全員の特別委員会があったという。本会議に出てきたのは毎度の「原案可決」のひとことだけ。これでは、非公開の本会議がもうひとつあるようなもの。賛成と反対、あるいは大局的な議論から生まれた可決の理由、その判断、その記録が未来につなぐまちづくりのエネルギーだと思うが、残念なことだ。


委員会の何が問題か

前回のブログで、「青い池の駐車場」条例について委員会の審議内容がほぼブラックボックスで問題ありと指摘した。

  • 条例は細かい議論が必要だから本会議と別の委員会で議論する

  • ところが本会議には「原案可決」の結果しか出さないのは問題だ


議員全員による特別委員会

今回もひとつ、「美瑛町各種使用料」「水道事業の関連」「町立病院使用料」の条例の審議のなかで見つかった。

  • 3議案を一括、議長を除く議員全員(13名)による特別委員会で審議

  • 委員長の本会議の報告は「原案可決」のひとこと、いつものパターン

  • これでは、非公開の本会議がもうひとつあるようなものではないか


審議の流れ

  • 12月9日、委員会に一括審議を付託する前の総括質問はゼロ。

  • 12月18日、委員長の報告「原案可決」を受け、賛成2件、反対1件の討論(※)のあと可決。※討論の抜粋は下記に


賛成/反対討論

本会議の賛成討論と反対討論の事例は、採決のための形式に見える。賛成・反対だけなら町民にもできる。議会に期待することは…

  • たとえ小さくても、値上げというものを大局で考え、次回の値上げにも耐えられる判断基準、賛成の理由を町民に説明してほしい

  • 多数の賛成意見は、少数の反対意見を論破できたのか。多数が正しいと町民に説明してほしい


下記に討論の抜粋と筆者のコメントを付けた。・・・会議録の本文9~13ページ目にこの討論が記録されている。

賛成討論1(抜粋) ″・・・今回の条例改正につきまし ては、国の定めた消費税率の改定に付随して、改定を審議したものであります。したがいまし て、使用料・手数料の適正化にも関連したことから、消費税増税分を加えたものもありますが、 公的事業の財政の健全性は事業の継続性から不可欠の要件と判断をするものであります。・・・″


(コメント)この討論は、「消費税率の改定」と「受益者負担の適正化」と「公共事業の財政の健全化」の3点がごっちゃになった、便乗値上げのようなかたちとなったことを図らずも示している。この3つの論点を切り分け、とくに「受益者負担の適正化」と「公共事業の財政の健全化」について、大局的な考えは何か?公的事業の財政の健全性は事業の継続性から不可欠」といっても町民には何のことかわからない。

反対討論(抜粋) ″・・・水道事業の平成30年度の収益的収支は黒字であります。し たがって、値上げの理由はありません。二つ目、値上げ分の増収分、400万円余りと試算さ れておりますが、これを施設の更新の費用にすると言いますが、将来の施設更新は全く未知数 であり、400万円を充てるというのは空想の世界と言わざるを得ないのであります。・・・”


(コメント)この議員の少数の反対意見は、事業収支が黒字だから値上げの理由がないと言っている。行政は、将来の施設の更新費用としての値上げするが、施設計画がないと言っている。このなかで多数派は、「受益者負担の適正化」と「公共事業の財政の健全化」の大局の視点からこれを論破することができたのか?そこを町民は聞きたい。

賛成討論2(抜粋) ”・・・また、内容につきましては、以 上の3点から条例生成に関しての内容を要約いたしますと、第1点目は消費税増税に伴う改正 においては、端数の問題などがあり、都度、上げられてこなかったものを含めての見直し。 2点目は、国・道との基準と照らし合わせて整合性をとるための見直し。3点目は、何らかの 理由で上げてこられなかったものの見直しであります。いずれも大幅に上がるものについては、 経過措置の期間を設けるなどの配慮が見られ、よく議論等を検討されているなというのが各議 員の認識ではなかったかと思っております。 ・・・”

(コメント)3点目の「何らかの理由で上げてこられなかったものの見直し」について、「大幅であっても経過措置があればよい」とか「よく検討されている」と述べている。それならこれからもその論理で値上げを全部認めていくのか。「受益者負担の適正化」や「公共事業の財政の適正化」という大局の視点を議会が持っているのか、町民は聞きたい。


まとめ

  • まずは手始めに、委員会の議事録を公開すべきだ。まちづくり委員会など、町民参加の議事録はあるのだから。

  • 町民が行政に直接意見を述べられるいま、議会も変わってほしい。

以上

Noriaki Gentsu @NorthQuest

◆起業や地域の問題解決を目指す若者にむけ、「北の若者塾」を始めました。 https://www.blog1.northquest.net/


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