あらすじ
びえい新聞5月16日号の2面の記事~「軽視どころか今度は議会無視 議会承認はもういらない?」の記事にひと言。10万円定額給付金の申込書郵送と議会の些細な時間差を取り上げて、議会無視という結論に持ちこむ。そもそもネットの受付は5月2日に開始、国の事業だから発送業務の議会承認は不要。読者はメディアが誘導する誤ったメッセージを見極める目が必要だ。
この記事(PDF)は、国の10万円の定額給付金の申込書の発送が臨時議会(5月11日午前)と前後した定額給付金の申込書郵送の些細な時間差を取り上げて、議会無視という結論に持っていったもの。ところがこれは国の事業を役場が代行するものであり、ネットの受付は5月2日にすでに開始、発送業務の議会承認は不要だ。
前回ブログで取り上げたように、5月2日号でも美瑛町議会第2回臨時会で議論した新型コロナウィルス感染症拡大防止対策の財源となった備荒資金(※)が、あたかも隠された謎めいた資金であと断定し、町民に誤ったメッセージを拡散している。
誤った前提で正しい結論を導く
誤った前提で、正しい結論を導く。すると誤ったメッセージが本当のように伝わっていく。 これは昔から、世論に誤ったメッセージを伝える方法として使われた方法だ。
特別定額給付金の郵送による手続きは議会の翌日の12日からなので、議会の最中の11日午前中に配達されなければならない理由はまるでない。(びえい新聞)
上の文章は、下線の前提が正しければ、結論は正しい。
しかし、国の事業なので郵送手続きについて議会の承認は不要。前提が間違っている。
よって、びえい新聞が言いたかった議会が開催した11日午前中に配達されるのはおかしという結論は初めから崩れている。
まとめ
多数の読者を持つメディアは、事実とは違う自分の解釈と主張を混ぜ、読者に誤ったメッセージを伝えることができる。
ネットで情報があふれる今日、読者はメディアの伝える事実と、メディアが誘導したい主張を切り分けて見る目が必要だ。
Noriaki Gentsu
※字句の修正を行いました。2020.5.18
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