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(No.157)「私ならこう訊く」・経済効果、質問の切り口|6月議会傍聴記—①

  • 執筆者の写真: NorthQuest |びえい未来ネット
    NorthQuest |びえい未来ネット
  • 6月22日
  • 読了時間: 6分

議会の一般質問を傍聴して「よく訊いてくれました」というケースはたまにしかありません。なので、「現状、わたしならこれが訊きたい」という3つの基本の切り口を整理してみました。こうすれば、「結局なにが訊きたかったの」といわれません。この3つ以外にもあるかもしれませんのでまちづくりリーダーの方は考えてみてください。


Fig-0

目次


期待外れの一般質問

3か月に一回の幅広い政策の議論を期待して議場で傍聴しました。


3月の町長の町政執行方針、3月議会の予算審査の質疑で、掘り下げが足りなかったつぎの3点を期待しました。

  1. 駐車場税・宿泊税の原因となった町の財政力を立て直す行財政改革について(方向性と進捗、および改革のアウトプットの内容とタイミング)

  2. オーバーツーリズム、中心市街地活性化、観光振興、経済循環などの政策の費用対効果を総合的に計測し、予算の削減に切り込む議員が現れて欲しかったこと。

  3. 総合計画などの基本計画のPDCA(すでに陳腐化した指標の更新など)の議論が行われること。


この期待は外れました。つぎの点で議会のチェック機能が働かなかったと思います。

  1. 政策の考え方や、事業の内容の確認に終始し、掘り下げが足りないマイナーな質問が多かったこと・・・行政から議会への情報が少ないからか。

  2. 9月に予算編成会議を始める行政への宿題事項があまり出なかったこと・・・質問によって何を引き出したのか、わかりにくい。答弁いただきました、で終わっている。

  3. 町民に究極的に関わる、オーバーツーリズム、中心市街地活性化、観光振興、経済循環などの心配事に結びつけられなかったこと。


まとめますと、行政もいままで経験のない難しいかじ取りで試行錯誤しているなかで、議会がこれでは行政に太刀打ちできず、チェック機能が果たないのではないかと感じます。



議会に対する期待

では、議会はどうすればよいかという点になります。私は足りないところを少しずつ改善していけばよいと考えます。


  1. 議会改革などと大きく構えず、現状を変える取組を増やし、視点を拡げる。・・・例:議会報の改善、委員会議事録の公開、宿泊税の意見交換会・「議員間の自由な討議(フリートーク)・公聴会など

  2. オーバーツーリズム、中心市街地活性化、経済循環、財政改革などの基本政策に関する政策の深掘り検討を日頃から常任委員会で行う。

  3. 上の基本政策の検討で出た疑問を、連動させて各委員が分担して網羅的に訊く。




私ならこれを訊きたい(論点整理の例)

まちづくりの目的は町民の福祉と経済の持続です。


そのために私はどんなマイナーな質問であっても、質問の究極の意図がどこにあるかを相手に伝えます。そうすると相手の答えが、答えになっているかどうかが分かります。


現状、わたしの基本の切り口は3つあります。一年間繰り返しても良いほど奥深い切り口です。毎回、関連の細かい質問を追加していきます。

  1. 観光振興とオーバーツーリズム

  2. 中心市街地活性化と町内経済の進展

  3. 上の1.2.に投資できる財政運営




観光振興とオーバーツーリズム

  1. 2025年の観光客入込数の見込みの想定は?(2024年は269万人)・・国・道との関連で。

  2. 観光マスタープラン2020は土壇場(2017/3)で、町民ワークショップの意向に反し、役場の意向で総量規制が削除されました。2024年の観光客入込数は「総合計画」のKPI (2032年、200万人)を大きく上回っています。観光客の規制地区、回遊、滞留などの観光目的地設計のためにも、基本となる総量規制目標が必要ではないでしょうか?

  3. 「観光マスタープラン2027」は従来の総花的なコンセプト(概念)重視から、オーバーツーリズムと経済効果に重点を移してはどうか?・・・例えば、①中心市街地への観光客回遊による経済効果(簡易版※)推定、②オーバーツーリズム事業の効果の検証、③これ以上宣伝しなくてもよい宣伝事業(ライトアップ、青い池と丘エリア)の検証、④新しい観光ニーズの宣伝(ジオツーリズム、サイクルツーリズム、マルシェなど)の必要性、⑤新たな財源収入の可能性検討


※簡易版の経済効果とは、客単価×客数でえられる、直接経済効果のみを求めたもの。

中心市街地活性化と町内経済の進展

  1. フラノマルシェ(2010年設立)が2025/1/15で来場者数1500万人を達成しました。町内の類似の商業施設として「美瑛選果」がありますが、設立からの累計来場者数はどれぐらいですか?

  2. フラノマルシェは初期投資を上回る経済波及効果、消費効果、雇用効果、市内の回遊効果、路線価格の上昇などのよい効果をもたらしています。中心市街地活性化の基本計画にあるマルシェの実現に絞って、建設から事業計画および初期投資回収計画の策定を速やかに始めるべきではないですか? (駅前トイレやごみ箱の設置などはやっているうちに入らない)

  3. 歴史的な人口減少と過疎化からくる漏れバケツ、ひび割れの経済構造は回復は困難です。この条件のもとで経済循環を高めるには、①国内外インバウンド(観光客※町内消費額、ふるさと納税、農業移出)、②新たに町内経済を担える人口移住、③収益を生むものへの投資、が決め手です。この点をどう考えますか?・・・なお、Beコインは漏れバケツ対策の限定的な効果にとどまります。※2025.6.23追記


※フラノマルシェ関連の資料は本文の末尾にあります。
Fig-1

未来に投資できる財政運営(行財政改革)

  1. 今年度予算は、予算要求に比べて歳入と歳入で概ね20億円の圧縮が必要であったとのことです。これは、来年も続く恒常的な現象でしょうか?

  2. 最終的に20億円の圧縮を行った内訳はわかりますか?つまり、歳入が増えた分(町債を含む)と残りの歳出を減らした分は、それぞれどうなりますか?

  3. 上記の歳出を減らした分のうち、既存事業の廃止あるいは削減による分、要望の却下による分は、それぞれどうなりますか?

  4. 経営の厳しい一般企業では、3年(中期計画の期間)後に必要性と効果を検証し、廃止を含むゼロベース査定を行うこともありますが、事業の継続に関する行財政改革推進本部の考えかたはどうなっているでしょうか?

  5. 財政のマネジメント指標として、実質公債費比率、経常比率、将来負担比率があります。町債を使って将来に向けた投資を行うとき、自主財源、特定財源、基金の財源を適切に保てばこれらの指標も維持できることが分かっています。財源の適切な確保と維持の面で、当面のどのように注力しますか?

  6. 観光による経済波及効果と、中心市街地におけるインバウンド経済効果は切り離せない要素です。いずれも行財政改革で浮いた財源と起債による投資が必要です。この際、観光マスタープラン2027の目的範囲を拡げて、DMOだけでなく町内観光経済のシンクタンク的なものに拡げてはどうですか?・・・(受け皿は、第3セクターのまちづくり株式会社が行うとして)


参考資料

検索結果 フラノマルシェ|経済効果 リンク

びえい未来ネット記事 経済効果の記事2件

今回はここまでです。

2025-6-22 Noriaki Gentsu @ NorthQuest(ノース・クエスト)・・Quest=探求する

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