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  • 執筆者の写真NorthQuest |びえい未来ネット

(No.128)町債と基金の動きと将来負担を増やすリスク|町民参加で役立つ町政の基本知識-③


持続的なまちづくりとか、財政運営と聞いても何をすればいいかわかりません。しかし将来負担を減らすと言えば、前回のブログでチェックした町債が増え、基金が減るリスクに対処すればいい。すると必ず町民の影響があるから町民参加で意見をいわなければならない。今回はこの切り口で進めます。


 

前回までのブログのまとめ


ブログ(No.126)とブログ(No.127)から次のことがわかりました。


  • 町債: 令和4年(決算)の114.5億円 ⇒令和10年(計画)に80.7億円。33.8億円減で、将来負担には有利な方向

  • 基金: 令和4年(決算)の32.9億円 ⇒令和10年(計画)21.1億円。11.8億円減で、将来負担には不利な方向

  • 町債の減り方が基金の減り方より多い。トータルで将来負担は有利な方向。この流れが維持できれば財政の持続性は保たれそうだ


 

将来負担を悪化させる要因をチェック


①町債を増やすリスク要因


美瑛町公共施設等管理総合計画によれば、建物インフラの長寿命化等の費用が町債を増やす方向です。注目する10ページの表を下の図1に示します。

なお詳細に知りたい人はダウンロードしてください。


説明は表の下に続きます。

fig1 美瑛町公共施設等管理総合計画
図1 美瑛町公共施設等管理総合計画 10ページの表

建物と施設の耐用年数(詳細は本文を参照)で更新していくと、今後944億円(①)必要で、それではいけないから長寿命化して長持ちさせることで費用を453億円(②)までに抑えるという戦略です。


問題はこの453億円でもまだ、町債を増やし将来負担を悪化させるリスクがあるということです。

  • 上記の(a)~(d)を集計したそれぞれの期間(耐用年数)で単純に割って、合計すると年平均は9.95億円/年の建設費用。

  • (前回の)令和5年度美瑛町政運営計画4ページの普通建設事業費の令和10年見込みが1.5億円。

  • このギャップを解消するには、(1)町債を増やして将来負担を増やすか、(2)施設インフラを縮小統合して将来負担を増やさないように、町民生活の影響を議論するか。ふたつの道があります。

なお、図1の個別施設計画(a)については、第1期個別施設計画があります。
 

つぎはもうすこし具体的に、図1の(a)個別施設計画の合計費用131.8億円③を今後30年間のタイミング別に分析したものが下の図2となります。(上記の第1期個別施設計画の135ページ)


  • 現在は④の位置ですが、5年間で37.9億円(7.6億円/年)の費用が要るとのこと

  • 前出の財政運営計画4ページの令和10年(2028)普通建設事業費の見込みが1.5億円であることから、この個別施策はいま運用されているのかとの疑問がわきます

  • また、この期間は学校、公営住宅、公営企業施設(町立病院)に集中しているのが留意点です


つまり、耐用年数50年の建物の長寿命化計画の実施が始まっているはずなのに・・そういった包括的な情報が役場からも議会からも町民に聞こえてこないのが現状です。


令和5年の財政運営計画と公共施設等管理総合計画が整合しているのかという素朴な疑問に答えてほしいとの思いです。


公共建築物の更新費用のタイミング分析
図3 公共建築物の更新費用のタイミング分析(第1期個別施設計画の135ページ)

 

②基金を減らすリスク要因


財政運営計画(6ページ)では、令和10年度の基金残高が大きく減ります。(前回のブログ)


これは歳入と歳出の収支がとれず、基金を取り崩している状態と考えます。理想は基金を増やさないといけないのに、その逆を行っているとの理解です。


なので今回は細かいことは横におき、支出がさらに増えて基金を増やせない、むしろ取り崩さないといけない事態を招きそうな項目をリストアップしてみたいと思います。


町立病院

  • 患者が減っている分、一般会計から繰出金で補填する分が増えていく傾向です。


美瑛物産公社

  • 最近のブログでも取り上げましたが、一般会計から多額の補助金がなくても収益をあげて自分の稼ぎで投資ができるような改革が必要です。


美瑛高校

  • 美瑛高校の生徒数が減り、道教委が示した統廃合の基準を満たさない可能性が出ています。(6月と9月の町議会一般質問を参照のこと)

  • そういったなかで、美瑛高校を町立化すべしといった意見が議会の一般質問で出ています。財政の裏づけのない希望だけの議論が展開していると受け止めています。


基金

議会の議論で、基金をためておくだけでなく有効活用すべきという発言が出たときもあります。他の町村にそん色のない基金の水準を維持してほしいものです。(次回以降にテーマで取り上げます)


 

まとめ

議会の議論は、議案が多くて忙しくて今回取り上げたような課題をじっくり議論する場がないようです。町民と議会と行政を巻き込んで令和10年ぐらいの見通しを語る場があったらよいと思います。


令和10年のことを議論するとき、町長が仮定の話(自由討議)ができないいまの議会規則に問題があると思います。令和10年の見とおしを仮定を交えてAのケースBのケースと話したことに、後になって議員が町長があの時こういったとか言質をとると、非常に硬直化した議論しかできないと思います。


2023-12-16 Noriaki Gentsu @ NorthQuest

 

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